今回は、2月2日(土)に行われた「国際協力・開発教育セミナー2008」に参加して感じたことをシェアしたいと思います。CFFはこのセミナーを主催している埼玉県国際交流協会から助成金をいただいており、青年育成など教育面にも力を入れていければいいなと思っています。

以下報告です♪

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Ⅰ.芝浦工業大学 盛香織氏による講演

「開発途上国への視点~英語と多文化共生~」

盛氏がアメリカの大学院に留学していた当時、英語の能力(読む、書く、聞く、話
す)がほとんどなく、文部省が行っている日本の英語教育に疑問を持っていた。日本
人が英語を話せない要因は大きく分けて3つあるという。

1.技術面:発音、リスニング、語彙、長文ライティングの練習不足

2.教育面:批判的思考力、テキスト分析力をつける教育を日本が行っていない。

3.精神面:「英語はネイティブ並みに話せなければいけない」という思い込みに
よって、間違うことを恐れてしまう。

博士課程時代に英語の多様性と英語を使ってコミュニケーションをとることの大切さ
に気づき、日本と他国の関係について英語で文化交流を行う「アジア文化研究グルー
プ」を設立。研究グループの中で他国の人と接することで発展途上国への視点を得
る。

現在は、大学教員としてマイノリティ研究に携わっており、少数民族の歴史的背景や
社会における位置づけを行うことを通して「多文化理解の姿勢」を持たせる開発教育
を実践している。

盛氏は日本の小学校における英語教育や開発教育に対する意見を述べていた。まず、
異文化理解=英語教育ということに疑問を感じる。身近にアジアからの外国籍市民が
多いのだから、アジアの言語を身につけるほうがよいのではないか。

また、小学生の英語教育において大切なのは、英語力を身につけることではなく、異
文化理解(他者との差異の理解、尊敬、自らの文化を大切にする姿勢)なのではない
か。そして、異文化理解のための教育は学力向上と平行して行われることが理想であ
る。

<感じたこと>

盛氏は「日本で学ぶ開発途上国」というテーマで、スリランカの子どもたちに文房具
を寄付したり、民族衣装を着ることで他国の文化を肌で感じてもらうという活動を学
生と一緒に行っている。確かに寄付や民族衣装の着用は異文化教育の一つの方法であ
ると思うが、それだけで本当に理解が深まるのだろうか。スリランカの子どもたちと
手紙のやりとりなどをしてお互いを知ることや、他国の人と直接会って交流やディス
カッションをするというような「人とのつながりを大切にした、顔の見える異文化交
流」が必要であると感じた。

Ⅱ.2007年JICA教師海外研修@ベトナム

1.視察

ハノイ、ホーチミン、フエの3箇所にて環境問題、教育、地方体験、青年海外協力隊
活動視察、医療事情などさまざまな分野の活動を10日間にわたって視察した。

<感じたこと>

地方体験ホームステイで、近代化しつつも伝統を重んじる少数民族の生活を体験した
そうだ。近代化とは、テレビなど電化製品の普及や交通手段の発達による都市と農村
間での人やモノのやりとりの増加をさし、ベトナムの農村部でもそのような傾向がみ
られるようになってきている。以前にブータンでテレビの普及によって、家庭内での
コミュニケーションが希薄になっているという話を聞いたことがある。ベトナムでは
コミュニケーションの希薄化はまだみられていないが、よい習慣を大切にしながら発
展を続けてほしいと思った。


2.開発教育の実践

・小学校での開発教育の実践

「ベトナムの文化を知ることによって、今の自分の生活を見直す」ことを目的として
いる。「世界がもし100人の村だったら」のワークショップやベトナムクイズなど、
参加型の授業を実施。生徒の好奇心を引き出し、考え、自分の意見を持たせるためで
ある。生徒の感想は「自分の今の生活を見直したい」、「ベトナムの子どもたちが一
生懸命生きているのを知って、私に何ができるのか考えてみたい」という自分自身を
見つめるきっかけになったという。


・中学校での開発教育の実践

導入は小学校と同じくワークショップから始まる。だんだん本格的になってきて、青
年海外協力隊員による講演や大使館訪問、「日本の中学生は幸せか」というテーマで
のディベートなどを行った。生徒の反応は、「最初は貧しい国というイメージがあっ
たが、楽しく生きている人がたくさんいる」、「勝手に(途上国)のイメージを作っ
ていたが、日本と似ているという発見ができた」など。ディベートに関しては、普段
は意見を言わない生徒も活発に話し合い、相手の意見を良く聞いて反論できていた。
「また(このような参加型の授業を)やりたい」という声も多かった。


<感じたこと>

異なる文化圏の人の生き方を知ることで、自分の生活を見直すということはとても重
要だと思った。参加型形式の授業は、生徒のやる気を引き出し積極的に意見を交し合
うという点で生徒の印象に残り、考える力を身につけられる機会だと思う。このよう
な形式の授業をする学校が増えることで、今後ますます進展する国際化に対応できる
人の育成ができればいいな。


Ⅲ.分科会

第3分科会「開発教育とは?」に参加した。講師は青年海外協力協会の長谷川雅之
氏。

参加型のワークショップ形式をとることで、参加者自らが気づきを得ることを目的と
した。

主な活動は以下の通り。


「パプアニューギニアの運動会の話」という教材を使い、開発教育を知るきっかけと
した。

まず、3枚の写真を自由に並べて話を作るという作業を行った。

写真1:青空の下、広いグラウンドがあり、中央に木が一本立っている。

写真2:3人の男性が走っている。リレーでちょうどカーブを曲がろうとしていると
ころ。

写真3:現地の青年達がうつむいて立っている。彼らに笑顔はみられない。



さて、あなたはどんな話を作りますか?



・私たちのグループの案

写真1:晴れ渡る空の下、広いグラウンドがどこまでも続いているようだ。のどかな
日だ。

写真3:ある日、日本から青年海外協力隊員がやってきた。広いグラウンドを使って
運動会をやろうと現地の人に提案する。しかし、運動会をやったことがない彼らは戸
惑う。

写真2:実際に隊員と走ってみたら、案外面白かった!満足♪


・本当の話

写真1:青年海外協力隊員のAが赴任したパプアニューギニアの高校には広いグラウ
ンドがあった。

写真2:Aは高校生の体力強化のために体育の授業を必修とし、運動会を企画して実
行。

写真3:ところが、生徒はあまり満足していないようだ。

生徒が満足していない理由はなぜ??

理由1.Aは日本で小学校の教員であるため、陸上競技のトラックを一周200メートル
にしてしまった。体格がよく、走ることに慣れている高校生には物足りなすぎる距離
だった。

理由2.Aは地面に線を引くために石灰を探し回っていた。しかし、パプアニューギ
ニアでは石灰ではなくオイルで黒い線を引く。オイルはただでもらえるということを
後に生徒から聞いた。

この状況を改善した結果、次の年の運動会は成功した。

改善点は、

・地面が芝生で走り易くなった。
・ 地域の人たちが応援に来てくれ、盛り上がった。
・ チーム分けによる、競争意識と団結力がついた。など

<感じたこと>

日本の常識が通用するとは限らない。相手の目線に立って物事を考えることが大切。
常に相手のことを考え、うまくコミュニケーションをとることがお互いを理解する上
で重要だなと思った。

2.開発教育はなぜ必要か?というテーマでグループディスカッション

世界で起こっている問題を書き出し、その中から日本でも共通してみられる問題を抜
き出してみる。

・ 格差(経済、技術、情報など)
・ 移民の受け入れ
・ AIDS
・ 伝統文化の保持
・ ジェンダー
・ 人権
etc...

一見、途上国の問題であるようにみえても先進国も同じ問題を抱えている。

そのため、「学力」だけでなく、「人間力=生きる力」が必要!!

では、生きる力とは何か?

・衣/食/住
・病気への対処
・判断力
・教育(特に識字力)
・ 経済力

日本で特に必要なのは
・自立/自立
・知識
・コミュニケーション能力
・問題解決能力
・夢/希望
・好奇心

生きる力をのばすためには「参加型学習」が有効な手段になる。

参加型学習の良い点とは?

・ 価値観の違いを受けいれる
・ 主体的に意見を述べる
・ 体験を通して身につく
・ 人とのネットワークができる
・ 自分の考える「あたりまえ」が崩れる→人が成長する
・ 手を挙げて発言しなくても考えを主張できる
・ 自主的に考えることができる

3.まとめ

世界ではさまざまな問題が起きており、それらは密接に関連している。そのことを理
解し、共に生きることができる公正な地球社会づくりを目指すために、一人ひとりが
「今できること」を考えていけばよい。

<感じたこと>

実際に教材を使った開発教育を受けてみて、たくさんの気づきを得ることができた。
また、他の人とも和気あいあいと話ができて自分になかった発想を取り入れたり、相
手の意見を尊重したりする姿勢が身についた。このような姿勢を持つことが、価値観
や文化的背景の異なる人たちを尊重することにつながると思う。単一民族国家である
日本がグローバル化に対応するために開発教育は重要になってくるということを改め
て感じた1日だった。

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長々と書いてきましたが最後まで読んでくれた方、ありがとうございました!

以上、報告でした♪
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by mamikkot | 2008-02-06 02:18
前回のブログで紹介した、マレーシアワークキャンプを行っているCFFマレーシア代表安部さんの思いをみなさんにシェアしたいと思います。

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CFFマレーシア設立は、今年の6月から準備に取り掛かり現在はNon profit
organizationの申請をCFFジャパンからの出向でわたし安部と、現地のマ
レーシア人4人の計5人で行い、着々と準備が進んでいます。

さて、今日は私の自己紹介とCFFマレーシアの話をさせて頂きます。
私は青年海外協力隊で2年間、マレーシアボルネオ島のサバ州にあるNGO養護
施設にソーシャルワーカーとして配属されていましたが(2004年夏~2006年
夏)、そこで見たものはフィリピン人への根深い差別、迫害、ストリートチルド
レンでした。

ここマレーシアボルネオ島ではフィリピン人の多くが移民か不法移民。フィリピ
ン人の子供においては、生きる権利、安全から身を守る権利が「フィリピン人で
ある」故に脅かされている、そんな理不尽な現状が多くあります。

私がマレーシアに来てからの3年半の間に、親が逮捕(不法滞在)され、天涯孤
独になってしまった子、そして怪我をしても治療ができずに死んでしまった子、
いつの間にかいなくなってしまった子。「あの子はどうしているの?」と、かつ
ての友達に聞いて見るとそのかつての友達は「知らない」、「お父さんが逮捕さ
れた後、どこかに消えてしまった」と応えました。

マレーシアで物乞いをしている子供、路上で寝ている子供、林の茂みに隠れて暮
らす人々といえば、その多くがフィリピン人なのです。スワルで「フィリピー
ノ! フィリピーノ!」というリズムにのって踊って歌った陽気なあの言葉。こ
こではその「フィリピーノ」=そういう人たちなのです。

みなさんに沢山の気づきを与えてくれた愛するフィリピン、そしてフィリピン人
が、一歩先、「国境を越えた」だけで。ただそれだけで?差別の偏見の理不尽な
圧力に虐げられている現実があることを知っていますか?その狭間に横たわって
いるのは「国境」。そして「民族」。「内乱」。そして貧困です。子供たちには
理屈や状況がわかりません。でも子供たちはただただその中でせいいっぱい、笑
い、泣いています。

あるフィリピン不法移民の子供に「将来の夢」の絵を描いてもらいました。その
子の書いた絵のタイトルは「僕は軍隊に入りたい」そして、絵に書かれていた風
景は銃で人を殺すその子自身でした。

日本で暮らしているみなさん、

「目に見えるものの、その裏側にある見えないもの」を見続けていますか?
まだ「目に見えないものの価値」を信じられていますか?
「かつて気づいたこと」を築けていますか?

もしも、迷路の中にいる人がいれば、マレーシアワークキャンプに参加してくだ
さい。このマレーシアボルネオ島でフィリピン人の、フィリピンの子供たちとマ
レーシアという国の現状をこの目で見てみてください。いったいどうすれば子供
たちから脅威を取り除き、未来を共に築くことができるのでしょうか。。。

CFFが築きたい「平和」に向かって、もう一歩階段を上がってみませんか?
みんなで「ゼロから」、「CFFマレーシア子供の家」を創りませんか?
私たちは「運動体」です。一人の気づきと築きが、未来を繋げます。
一人の築きの「実践」が、少なくとも何人かの子供の未来を支えます。

忘れかけている何かをもう一度、確かめたいあなた。
これをクリック!

■CFFマレーシア公式ホームぺージ完成
http://cffmalaysia.web.fc2.com/

CFFマレーシア開設準備室代表
安部 光彦

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国境を越えただけで、差別や偏見にあうフィリピン人。もちろんフィリピン人だけではなく、他民族間の対立が「平和」への道を阻んでいる。

極度の貧困のために、生きることが精一杯。将来の夢を持てないでいる子どもたち。

子どもたちには何の罪もないのに・・・。

私は人種差別とはほとんど無縁の国で育った。マレーシアに住むフィリピン人のような状況を経験したことだってない。

でも、

彼らの状況を「知ること」によって、何かが変わるかもしれない。

1人が行動を起こしてそれが積み重なると、大きな力になる。

そして、私にたくさんの愛を与えてくれたフィリピン人たちの生きる権利を尊重できるようになったら、、

「平和」に一歩近づけるんじゃないかな。
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by mamikkot | 2008-02-01 22:45